農地の一部だけ駐車場や家にしたい!分筆と農地法の注意点を解説

農地転用

神戸市長田区で農地転用許可申請や遺言書作成のサポートを中心に活動しているOKAZU行政書士事務所の佐野雄一です。

ご自身が所有する農地について、こんなことを考えたことはありませんか?

・農地のこの部分だけ駐車場にしたい

・農地のこの部分に家を建てたい

・相続した農地のこの部分を兄弟に譲りたい

自分の土地だから自由に利用できそうに思えますが、土地には登記や農地法に関するルールがあります。

事前に必要な手続きを確認せず利用方法を変更してしまうと、後から思わぬ問題が生じることもあります。

今回は、農地の一部だけを利用したい場合に知っておきたい「分筆」と「農地法」のポイントについて解説します。

一筆の土地にはルールがあります

土地は見た目では一つにつながっていても、登記上は「筆(ふで)」という単位で管理されています。

この一つ一つを「一筆(いっぴつ)の土地」といいます。

そして、一筆の土地には原則として一つの地目しか登記できません。

地目とは、その土地がどのように利用されているかを表すものです。

例えば、

・家が建っている土地 → 宅地

・駐車場として利用している土地 → 雑種地

・田んぼ → 田

といった形で登記されます。

そのため、一筆の土地の中で

「この部分は宅地」

「この部分は雑種地」

というように別々の地目を登記することはできません。

また、一筆の土地の一部分だけを別の所有者名義にすることもできません。

例えば、

「ここからここまでは弟の土地にする」

と口約束をしても、登記上はそのような扱いにはならないのです。

まずは次のポイントを押さえておきましょう。

・一筆の土地には原則として一つの地目しか登記できない

・一筆の土地の一部分だけを別の所有者名義にすることはできない

土地の分筆とは?

では、一筆の土地の一部分だけを利用したり譲ったりしたい場合はどうすればよいのでしょうか。

その際に必要となることがあるのが「分筆」です。

分筆とは、一筆の土地を登記上、複数の土地に分ける手続きのことをいいます。

分筆によって別々の土地として管理できるようになるため、

・一部だけ地目を変更する

・一部だけ売却する

・一部だけ別の人へ譲る

といったことが可能になります。

ただし、土地の状況や利用計画によっては必ずしも分筆が必要とは限りません。

実際の手続きについては、事前に農業委員会や専門家へ相談することをおすすめします。

なお、分筆登記は土地家屋調査士の業務です。

行政書士が行うことはできませんので、分筆が必要な場合は土地家屋調査士へ相談することになります。

農地の一部を駐車場や住宅用地にしたい場合

農地の一部だけを駐車場や住宅用地として利用したい場合は、分筆だけで手続きが完了するわけではありません。

分筆しただけでは、その土地は依然として農地です。

農地を駐車場や住宅用地として利用するためには、農地法に基づく転用手続きが必要になります。

例えば、

・ご自身が所有する農地を駐車場や住宅用地として利用する場合

・農地を売却または贈与し、取得した人が住宅を建築する場合

などは、農地法上の手続きが必要になる可能性があります。

手続きの流れの一例

実際の進め方はケースによって異なりますが、一例としては次のような流れになります。

① 農業委員会などへ事前相談を行う

② 農地転用が可能かどうか確認する

③ 必要に応じて土地家屋調査士へ分筆を依頼する

④ 農地法に基づく許可申請や届出を行う

⑤ 許可後に計画どおり利用を開始する

なお、転用計画によっては農地転用手続きと分筆手続きを並行して進める場合もあります。

農地法第4条・第5条との関係

ご自身が所有する農地を駐車場や住宅用地として利用する場合は、農地法第4条許可(または届出)が必要となることがあります。

一方で、農地を売却や贈与によって他人へ譲り、その人が住宅などを建築する場合は、農地法第5条許可(または届出)が必要となることがあります。

また、売買や贈与によって所有権を移転する場合には、別途所有権移転登記が必要になるため、司法書士へ相談することになります。

まとめ

農地の一部だけを駐車場にしたい、家を建てたい、兄弟へ譲りたいと考えた場合でも、自由に利用できるとは限りません。

土地には登記上のルールがあり、場合によっては分筆や農地法上の手続きが必要になります。

計画内容によって必要な手続きは異なりますので、まずは農地転用が可能かどうかを確認することが大切です。

OKAZU行政書士事務所では、農地転用に関するご相談や許可申請のサポートを行っています。

また、分筆が必要な場合には土地家屋調査士、所有権移転登記が必要な場合には司法書士と連携しながら対応しております。

農地の利用方法でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。